創業六十周年記念 幸せを願いつつ 牛の歩みのごとく

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株式会社マツイフーズ 会長 松井幸次郎様 著

同社社長 松井利直 様 発行

2008.12刊 四六判 221ページ

本書は、新潟県燕市の著者松井幸次郎氏(出版時84歳)が、昭和20年に戦争から帰還し、父上松井瀬吉氏の農業と農耕馬の仲買業を手伝うところから始まります。次男であった幸次郎氏は24歳で独立し、仕入先の飼育農家だけでなく、牛馬を購入する米づくりの農家からも大きな信用を得て、順調に事業を拡大させていきます。

しかし、時代が高度成長に向かい、農家はトラクターなど機械を導入してゆき、この一大変化は農耕牛馬を扱う幸次郎氏にとって、農耕馬牛時代の終わりを意味していました。

幸次郎氏は一大決断をし、食用の牛豚卸業への転換を準備し、着実に具体化させていきます。まず「松井精肉店」をスタートさせ、この頃幸次郎夫人のヨキ氏だけでなく、長男の松井利直氏や次男幹雄氏が繁昌する小売店を手伝うようになります。

やがて、地元燕周辺に流通大規模店が出店し、幸次郎氏はお客様から惜しまれつつ、「松井精肉店」を責任者に譲り、(株)マツイフーズとして食肉卸売り業に特化していきます。

その後同社はグローバル・ビッグ・ファーム(GPF)チェーンが飼育するブランド豚「和豚もちぶた」「越後もちぶた」と出会います。同社は利直氏の社長就任を機に、家族中心の経営から若い社員の育成に力を入れ、GPFのチェーンの有力卸会社として、年々売上・利益を拡大させていきます。

2008年、松井幸次郎氏の創業六十年の節目の年、新たに新潟市内に二階建ての新社屋・工場を建設しました。新工場(1階約1000坪)は食の安全・安心を徹底させた最新の水処理・衛生設備を導入し、増大するお客様のニーズに応える体制作りを構築しました。

本書はこの六十周年を記念し、利直社長からの強い勧めで出版となりました。

株式会社マツイフーズ様ホームページ http://www.matsui-foods.co.jp/


「創業六十周年記念 幸せを願いつつ 牛の歩みのごとく」目次

第1章 米どころ西蒲原で、米づくりと農耕馬飼育を手伝う

第2章 終戦直前の召集、やがて念願適って祖国へ帰還ができた感激

第3章 父から博労の仕事で信用の重要性を教わり、結婚し独立

第4章 病気療養の試練を越え、家畜商として独り立ち

第5章 農耕用家畜商から思い切って食肉事業へ大転換

第6章 これまでの信用を元に、新業態の量販店との取引が順調に拡大

第7章 優良銘柄「越後もちぶた」との出会い。創造経営の指導で組織づくりと人づくりがスタート

第8章 利直に事業を継承。家業から企業へ成長の道筋

第9章 新本社・工場建設と次世代の入社で三代目